File No.25「ビアフライトという文化」
クラフトビールの店でよく見かける「ビアフライト」。
複数種を少量ずつ並べて楽しむこのスタイルは、今では当たり前になりましたが、実は奥に“文化”があるんです。
🍺 始まりはアメリカ西海岸
ビアフライトの起源は、1980〜90年代のアメリカ・クラフトビールムーブメントにあります。
小規模なブルワリーが次々に誕生し、「うちの味を知ってもらいたい」という想いから、複数のビールを“少量ずつ”提供する文化が芽生えました。
特にオレゴン、コロラド、カリフォルニアなど、クラフトビールが盛んなエリアでは、ブルワリー併設のパブで「Tasting Flight(試飲飛行)」という形で導入されました。
当初はスタッフが「今日はこの4種が面白いよ」とセレクトしていたのが、次第にお客が自由に組める形式へと進化していきました。
✈️ なぜ“Flight”?
「フライト(Flight)」とは、実はワインの世界から来た言葉。
テイスティング用に少量ずつグラスを並べることを“Flight”と呼ぶ文化が、ビールにも輸入されたのです。
まるで「味わいの旅に出るように」という意味を込めて、「ビアフライト」という名前が定着していきました。
🍺 ビアフライトの役割
ただの“飲み比べ”ではありません。
この文化には3つの役割があります。
1. 自己発見:好みのスタイルを見つけられる
2. 比較学習:ホップや酵母、モルトの違いを体験できる
3. 会話の種:同席した人と意見交換しながら飲める
とくにアメリカでは、「フライトを頼んで気に入ったビールを大きなグラスで注文する」のが定番です。
ビアフライトは単なるお得なセットではありません。
クラフトビールの世界を“旅するように”味わうための、入り口です。
ちなみに、IPA本舗では「ビアフライト」を出していません。
なぜか?
それは、最適なフライトボード(Flight Board)がないのと、ワンオペで提供が難しいというのがあります。
ですが、今後、なんとかしたいと思います。
その時は5タップ全部ってのが良いですね。