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File No.24「サワーエール」

単なる私見ですが、夏はサワーエールが良いですよね。比較的軽めの度数と、爽やかでフルーティーな味わいが、真夏の暑さによく合います。
最近は Sour IPA なんかも出てきて、ジャンルとしてもかなり浸透してきました。
でも、造り方は意外と知られていません。

今日はその「サワーの作り方」について話してみたいと思います。

最もスタンダードなのが「ケトルサワー(Kettle Sour)」。
ほとんどのサワーエールはこの製法で造られていて、効率の良い方法として知られています。
糖化後の麦汁を煮沸釜(ケトル)に残したまま、乳酸菌(Lactobacillus)を投入して酸っぱくします。
ある程度まで酸っぱくなったら、再び煮沸して乳酸菌を殺してから、普通の酵母で発酵させます。
この製法は、
①衛生的
②発酵タンクを汚染しない
③時間も短いというメリットがあります。

その他にも「ミックスファーメンテーション(Mixed Fermentation)」といって、乳酸菌や酢酸菌、ブレタノマイセス(野生酵母)などを組み合わせて発酵させる製法、
「同時発酵(Co-Fermentation)」という、乳酸菌とビール酵母(サッカロマイセスなど)を同時に発酵タンクに入れて発酵させる製法、「段階発酵(Sequential Fermentation)」という、まず乳酸菌だけをタンクに入れて、酸味を出してから酵母を投入する方法。
などもあるそうです。

で、今回CBPで造ったサワーIPA「Brakiston Line」は、上記の製法以外で造りました。
決め手は「フィリーサワー(Philly Sour)」という酵母。これは、乳酸もアルコールも、1つの酵母で同時に作ってくれるという画期的な存在です。酸味がややマイルドになる点が特徴ですが、酸っぱ過ぎるのを回避したり、サワーIPAのように苦味やホップの香りを引き立たせたい時にはむしろ好都合です。

ところでこのサワーIPA。IPAらしさはどこにあるんでしょう?
それはビタリングとアロマホップ。
今回のフィリーサワー酵母使う場合には、トランスファー(麦汁を発酵タンクに移送すること)前は、普通のIPA同じ工程で、「ここ」がIPAたる所以です。

ふと思いましたが、IBU80くらいの、苦味と酸味のサワーIPAなんてあったら新しいと思うんですが、どうでしょう。