IPAを中心に常時250種類以上の品揃え
IPA本舗
info@ipahonpo.com
仙台市青葉区上杉1-1-39

人生初の入院(2)

アーカイブ
カテゴリー

(2)集中治療室

CTを終え何階かもわからない病棟に。なにやらナースステーションのようなところに連れてこられた。

廊下??

急なことなので、どこでも良い。

パーテーションで仕切られたのでもはや個室だ。

それにしても看護師さんがひっきりなしに行き交う。

やはり「廊下」だけのことはある。

入れ替わり立ち替わり看護師さんが訪れ、体を触ったり声をかけたりしてくれる。

一瞬5人の女性看護師に囲まれた時などは「ここはハーレムか」と思い、私の幸福度は絶頂に達した。

だが、せっかく触られても全く感触がないことに気づく。

そして左手が自由に動かない。

これは大変な事態に陥ったと、少し冷静になる。

目で追わないと左手がどこにあるのかさえ分からない。

絶望に近い焦りを覚えたが、とりあえず動かしてみることで少しでも改善を試みるが、やはり思うように動かない。

しかし、まだ初日。そのうち回復するだろうくらいに思うようにして、少し休むことにした。

昼過ぎくらいだろうか、仕事を急遽取りやめて病院に駆けつけてくれた妻がやってきた。

「急だから仕方ないよね」と、やはり【廊下】を気にしているようだ。

「まあ、どこでもいいよ」と答えた。

妻には、やはり申し訳ない気持ちだった。苦労をかけてしまうんじゃ?という負い目を感じた。

しかし、自分の力でどうにかなる話ではないのだ。運を天に任せるほかない。

病院のことや病状のこと、これからの治療についてを一通り説明をうけた。

なるようにしかならないと思うから、話半分で聞いていた。「まぁ、妻が聞いてくれているだろう」

この時、ようやく私の手元に携帯がきた。

使っても良いそうだ。良かった。

問題はWi-Fiだが、設定を開くとリストに「Tokushukai」というのが出てきた。そして当たり前のように求められたパスコード・・・・

私はテキトーに入力してみた。

すると、一発でログインできた。

私はまるでハッカーになったかのようだった。「俺は天才か?」

だが、幸運はこればかりではない。

経過ということでもう一度うけたCTでも出血の拡大は無く、翌日には一般病棟に移れるとのこと。

「一般病棟ですか???」と問うと、看護師さんは言った。

「はい、ここは集中治療室なので、一般病棟に移動できることになりました。良かったですね」

今わかった。ここは「廊下」ではなく、集中治療室だったことを・・・・

つづく

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です