「ホップの使い方」
ビールの香りはホップを使うってのはわかるんだけど、実際どうなってんの?、という方が多いです。
そこで、ざっくり説明したいと思います。
ホップを「いつ・どう使うか」で香りも味も全く違います。ここではアメリカンスタイルのビール(特にIPA)における「苦味や香りの設計」をご説明します。
① 最初に入れるビター(Bittering Hop)
▶︎投入タイミング:煮沸開始直後(60分前後)
▶︎目的:主に苦味の付与
▶︎特徴:香りはほとんど飛ぶので、苦味のためだけに入れる
• 使用されるホップは「α酸」が高い品種が多い(例:Magnum, Columbusなど)。
・この段階でのホップは「苦味の骨格」を作る存在で、料理でいうと“出汁”に近い。
② 中間で入れるホップ(Flavour Hop)
▶︎投入タイミング:煮沸中盤(30〜45分前後)
▶︎目的:苦味+微妙な風味
▶︎特徴:少しずつ香りが残り始める
・このタイミングでは、草っぽさ、松、土、ダンク(湿った草・大麻っぽい)といったキャラクターが出やすい。
・「IPAらしい」風味の基礎部分がここ。
③ アロマホップ(Aroma Hop)
▶︎投入タイミング:煮沸終了直前(5〜15分前)
▶︎目的:香り付け
▶︎特徴:揮発しやすい香り成分を活かすため、長く煮込まない
・フルーティー(柑橘、トロピカル)、フローラル、ハーバルなど、ホップが本来持つ香りがダイレクトに反映される。
・「このビール、香りが良いね!」の正体はここ。
④ レイトホップ/ワールプール(Late Hop / Whirlpool)
▶︎投入タイミング:火を止めた後〜冷却までの間
▶︎目的:アロマとフレーバーの両方を残す
▶︎特徴:苦味は控えめに、香りを際立たせるテクニック
・沸騰させずに抽出することで、香りが飛ばず残る。最近のHazy IPA系では特に重要。
・ホップの「ジューシー感」「生っぽい香り」「瑞々しさ」の核心はココ。
⑤ドライホッピング(Dry Hopping)
▶︎発酵中や貯蔵時にホップを投入する方法。
・苦味はほぼつかず、香り成分だけを抽出する。
・IPAには必須の行程。
ホップの苦味・香りは「入れるタイミング」で大きく変わります。
・最初のビターで苦味の土台を作り
・中盤で松やダンク、草っぽさを出し
・終盤でアロマを加え
・レイトホップやドライホップで香りを爆発させる
ビールは“苦い”だけではありません。
「どんな苦味か」「どんな香りとセットか」を知ると、ビールの奥行きが一気に広がります。
ところでよく聞くIBU。
これは「どれだけビタリングにホップを使ったか」の指標です。
ざっくり言うと、①ビタリングから③アロマホップまでがIBUの計算対象です。
IBUの話しはまた今度じっくり説明します。
で、CBPのビールは、もっと細分化している時があります。
例えば「セブンシスターズ」。これは7種類のホップを5回ビタリングしました。
ホップの複雑さとビタリングの複雑さを試したかったのですが、深層に複雑さを秘めた、「無秩序のハーモニー」とでも言いましょうか、そんなビール仕上がりました。
ご記憶のある方も多いでしょう。
ホップワークって、いろんな設計があるので、ブルワーの意図が垣間見れるかもしれません。っていう話しをIPA本舗でできるといいな、と思います。是非、皆さん、ホップワークについて語りましょう!
(平日限定ね🤣)
※File No.1 〜 No.8 は、当店HPでご覧いただけます。
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