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AI小説「IPA本舗」第6話

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〜第6話『Fallaron Plate』

冷たい風が吹きつける2月の火曜日。青山は早朝の仙台駅から山形行きの電車に乗り込んだ。車窓から見える山々は白く雪化粧を纏い、寒さが一層身に染みる。青山は分厚いコートのポケットに手を突っ込みながらも、心の中は不思議と熱を帯びていた。

「West Coast Revelation」――あのビールの衝撃がまだ体に残っている。南田が持ち帰ったあの1本は、まさに”革命”だった。松のようなシャープなアロマ、ダンクな苦み、そして重厚感と切れ味を両立させたボディ。その全てが洗練されていて、あの一杯が消えた瞬間に、青山は確信した。

「これを超えるビールを、俺が造る」

そのための一歩が、今日の仕込みだった。

目的地は山形市の郊外にある「Yamagata Brew Pub」。青山の「Chikyu Brewing Project」のビールはすべてここで造られている。設備の充実度と、ヘッドブルワーであるフレッドの確かな技術が、青山のビールづくりに欠かせない存在だった。

フレッド・ジョンソン――50代半ばのアメリカ人ブルワーで、東海岸出身。ビールに対する情熱は本物で、特にホップを巧みに操る技術は国内でも群を抜いていた。仙台での生活が長く、日本語もある程度理解できるが、仕込み中はもっぱら英語だ。青山とは何度も一緒にビールを造ってきたが、今回のプロジェクトにはフレッドも特別な思い入れを感じていた。

山形駅に降り立つと、青山は冷たい空気を吸い込みながら、駅前に停めてあったフレッドのバンに乗り込んだ。

「オオ! アオヤマサン!魔法を使う準備はできてるかい?」

「もちろんだ。今回は気合いが違う。絶対にいいものを造るぞ。」

青山はポケットから折り畳んだメモを取り出した。そこには今回の仕込みで使うホップやモルトの詳細な配合が書かれていた。

「HopはCitra、Columbusをメインに。Nelson Sauvinも少し感じた気がするから、軽く足してみたい。それとFGは1.090くらい。あのボディを出すために。」

フレッドはメモをじっと見つめた後、にやりと笑った。

「今回のはビーストビアだな!」

👿何がビーストなのかわかりませ〜ん

「いや、ビーストじゃない。バランスが命だ。強さとキレの両立だよ。」

👿バランスとは「甘さ」「苦味」「香り」のバランスです! キレって何だよ!スーパー◯ラ◯かよ!💢

バンは雪道を滑るように走り、ほどなくして醸造所に到着した。こぢんまりとした外観だが、中に入ると大きなステンレスタンクが並び、ホップの爽やかな香りが漂っていた。

👿滑るようにって・・・それ、滑ってないか?

👿ブルワリーって、決してホップの香りはしないぞ! どちらかと言えば麦芽の香りの方が強い!

「さて、始めるか。」

青山はタンクの脇に用意された材料を見渡した。カラメルモルト、ペールモルト、そして何よりも重要なホップたちが並んでいる。

👿ん?ホップを常温放置?? 某醸造所じゃないんだから(笑)

「まずはマッシングだな。すまんが麦芽を用意してくれ」

「OK!お湯の調整はアオヤマサンがやってくれ」

作業は黙々と進んだ。粉砕されたモルトが湯に溶け、麦汁が抽出されていく。湯気が立ち上る中、青山はホップの袋を丁寧に開け中身を確かめた。Citraのトロピカルでシトラスな香りが一気に広がる。Columbusのスパイシーで松のような香りもたまらない。

「この香りだ。これをしっかり引き出さないと。」

👿まだホップ触るの早いって!!

フレッドが時計をちらりと見た。

「あと5分くらいでマッシング完了だ。ところで“Fallaron Plateってなんだ?」

「ああ、名前の由来か。」

青山はホップの袋を撫でながら言った。

👿だから! ホップ一旦冷蔵庫にしまおう!!

「地球物理学に”ファラロンプレート”というプレートがある。太平洋の海底で消えたとされているプレートでな。消えてしまったが、確かに存在した。今回のビールも、あの『West Coast Revelation』がもう日本に入ってこないからこそ、あの衝撃を俺たちが再現する。存在しないものを形にするって意味で、この名前にしたんだ。」

👿AIの「こじつけ力」凄いなぁ💦

フレッドは少し驚いた顔をしたが、すぐに笑った。

「深い話だな。嫌いじゃないぜ!伝説を造ってやろう!」

「そうだな。伝説にしよう。」

青山はゆっくりとホップを握りしめた。この仕込みが終わるころには、“あの味”がきっと蘇るはずだ。

👿だからホップ〜〜💦

⭐️

麦汁がタンクで煮込まれ、甘く香ばしい香りが醸造所の中に立ち込めていた。タンクの中ではホップがゆっくりと熱せられ、ビールに複雑な苦味と香りを与える準備が着々と進んでいる。

「さて、次のビールの話でもしようか。」

フレッドが大きなマグカップにコーヒーを注ぎながら青山に声をかけた。

「そうだな。次はスタウトを仕込もうと思ってる。」

青山はそう言いながら、フレッドの隣に腰を下ろした。フレッドは驚いたように眉を上げた。

「スタウト?それは意外だな。青山さんといえばIPAの男だと思ってたよ。」

「確かにな。でも、今回はちょっと違う挑戦がしたくてな。」

「どんなスタウトを考えてるんだ?」

フレッドが興味深そうに身を乗り出す。青山は少し間を置いてから答えた。

「North Coast Brewingの『Old Rasputin』みたいな、ガツンとくるRussian Imperial Stoutだよ。」

その名前を聞いたフレッドは、思わず口笛を吹いた。

「おいおい、マジかよ。あれは相当ヘビーだ

ぞ?アルコールも高いし、苦味も強烈だ。」

👿そこまで度数高くないし、言うほどヘビーじゃない! 巳年だからってヘビー要らない🤭

「そう。あのビタリングを超えるものを作りたい。」

フレッドは眉をひそめた。

「いやいや、待てよ。青山さん、ビタリングはやりすぎると飲みにくくなる。スタウトはローストの苦味があるんだ。そこにホップの苦味を足しすぎたらバランスが崩れる。」

「それでいい。むしろ、そこが狙いなんだ。」

青山の目は真剣だった。その強い眼差しに、フレッドは思わず息を呑んだ。

「飲みやすいスタウトじゃなくて、圧倒的な存在感のある一本にしたい。冬にじっくり飲んで、腹の底から温まるようなヤツだ。」

「それでいてホップで苦味をしっかり効かせる?正気かよ…。」

フレッドは呆れたように首を振ったが、すぐに苦笑いした。

「でも、青山さんがそこまで言うなら、面白いかもしれないな。」

「じゃあ、やるか?」

フレッドは少し考え込み、そして深いため息をついた。

「やっぱり青山さんはクレイジーだ。」

二人は顔を見合わせ、どちらからともなく大きく笑い出した。

「まあ、いいだろう。俺もクレイジーなブルワーだ。やるからには徹底的にやろうぜ!」

「ありがとう、フレッド。」

「ビタリングはどれくらい考えてる?」

「IBUは…130だな。」

「やっぱりクレイジーだよ!」

フレッドは肩をすくめながらも、どこか楽しそうだった。タンクの中で沸き立つ麦汁の音が、まるで次の挑戦を祝福しているかのように響いていた。

👿麦汁の音? 私、聞いた事ありません💦

⭐️

ケトル内での煮沸が終わり、麦汁はワールプールに移された。タンクの中では、回転する流れに沿ってホップのかけらや不純物が中央に集められ、クリアな麦汁だけが抽出されていく。蒸気が立ち上るその光景を、青山とフレッドは無言で見つめていた。

👿ワールプールに移さないけどね

「そろそろだな。」

フレッドが小さくつぶやき、ゆっくりとバルブを開いた。琥珀色の麦汁がホースを伝って発酵タンクへと滑らかに流れ込んでいく。青山はホースの先端から流れ出る液体をじっと見つめ、フレッドが差し出した小さなグラスに麦汁を少しだけ受け取った。

「飲んでみようか。」

フレッドも同じようにグラスに麦汁を注ぎ、二人は静かに口に運んだ。

麦芽の豊かな甘み、ホップの爽やかな柑橘香、そしてしっかり感じる松と、ダンクなグリーンなニュアンス。麦汁の段階にもかかわらず、その香りと味わいにはすでに完成形の片鱗が感じられた。

「……完璧だ。」

青山がポツリと漏らした。

「Perfect.」

フレッドも短く言い、グラスを静かに置いた。

二人は視線を交わし、どちらからともなく笑みを浮かべた。

「これなら、あの“West Coast Revelation”に負けない。いや、超えるかもしれないな。」

青山の声には確かな自信が滲んでいた。フレッドも軽く頷く。

「そうだな。だけど、俺たちのビールは“コピー”じゃない。これが俺たちの『Fallaron Plate』だ。」

「うん、このビールでIPA本舗の客を驚かせたい。」

👿おいおい!「客」とは何だ!「お客様」と言え!!!

青山はグラスをじっと見つめながら、静かに続けた。

「ただ美味しいだけじゃない。“あの一杯”があったから、今日の俺がある――そう思ってもらえるようなビールを。」

👿それを言うなら「今日の自分がある」だな。男尊女卑か!どこぞのビアバーと一緒にすんな!(笑)

「……Beer that tells a story, huh?(物語を語るビールか)」

フレッドが目を細めた。

「そうだよ。」

青山は短く答えた。

「このビールを飲んで笑ってくれる人が増えたら、最高だ。」

👿ビール飲んで笑ったら怖いよ😱 笑顔になった、ならわかるけど

フレッドは満足げに麦汁の流れを見つめた。

タンクから静かに響く液体の移動音が、まるで彼らの決意を後押しするようだった。

「じゃあ、最高のビールを届けよう。」

二人は力強く頷き合った。静かな醸造所の中に、二人の確かな誓いが響いた。

【登場人物】

青山・・・IPA本舗店主(私じゃないですよ!念のため!)

フレッド・ジョンソン・・・ブルワー/Yamagata Brew Pubのオーナー

続きはまた今度