第25話「新工場」
新工場での試験醸造を経て、ついに「ちきゅう・セッションIPA」の大量醸造が成功した。
「これは過去一の出来だ。」
青山はグラスを傾け、静かにそう呟いた。
透き通るような明るいゴールド。CitraとMosaicが織りなす鮮烈な柑橘の香り。ボディはしっかりとありながら、度数は4.5%。軽やかに飲めるが決して薄っぺらくない。
👿文章は薄っぺらいけどな
「まさに…完成形だな。」
👿私がセッションIPAにMosaicを使うことは生涯ないと思うけど💦
フレッドも満足げに頷く。「この設備での最初の成功作になるな。」
これまでジオフィジクスのビールは、タップルームや樽販売が中心だった。しかし、今回は違う。「ちきゅう」を全国に広めるために、新工場には缶詰め設備が導入されていた。
ジオフィジクス初の缶ビールが誕生する。
「やっと、この時が来たな…!」
そう熱く語るのは、半年前にジオフィジクスに入社した営業社員・蓮見だった。
30代前半の彼は、元々東京の会社でクラフトビールを扱っていたが、ジオフィジクスのビールに惚れ込み、「このビールを全国に広めたい」と転職してきた男だった。
「青山さん、これはとんでもないことになりますよ。こんなに美味いビールが缶で飲めるなんて、全国のクラフトビールファンが黙ってませんよ!」
青山は笑いながら、「まあ、そんなに簡単にはいかないさ」と返した。
しかし、内心では確信していた。これは、間違いなくジオフィジクスの新たなターニングポイントになる。
醸造が完了した「ちきゅう」は、新しく導入された缶詰め設備へと移された。
フレッドが缶詰めラインの設定を細かくチェックし、テストを繰り返す。酸化を防ぐためのパージ、充填量の微調整、シームの圧力チェック。すべての工程が初めての試みだった。
👿この辺はよくわかりません。本当にそういう行程が必要なのか、私、信じるしかありません(笑)
「手間がかかるな…。」青山はタンクを見つめながら呟く。
「でも、このひと手間がクオリティを決めるんです。」フレッドが言いながら、充填された缶の最初の一本を手に取る。
「ジオフィジクスの缶ビール…ついに完成だ。」
青山は、その缶をじっと見つめた。シンプルなデザインのラベルには、どこまでも広がる青い地球のイメージ。そして、力強く刻まれた「ちきゅう」という二文字。
👿4文字ですけど(笑)
「…いいじゃないか。」
全国展開に向けて、蓮見の気合いが入る
「よし!これを全国に広めましょう!」
蓮見はそう言うと、すぐに取引先のリストを広げた。
「まずは東京、大阪、名古屋の大手ビアバー、それからクラフトビール専門店。すでに何件か『ジオフィジクスの缶が出るなら絶対扱いたい』って言ってる店があります。」
「早いな…。」青山は少し驚いた。
「もちろんです!今の日本のクラフトビール界に、この『ちきゅう』みたいなバランスのいいセッションIPAはないんですよ。 それに、ジオフィジクスの名前はすでに全国に知られてます。店側も待ち望んでたんです!」
「それなら期待に応えないとな。」青山は蓮見の熱意に少し笑みを浮かべた。
「まずはどのくらい出せる?」
フレッドがデータを見ながら答える。「初回出荷は30,000本。ここから市場の反応を見ながら増産していく。」
「30,000本か…足りないな。」蓮見は悩ましげに唇を噛んだ。「でも、まずは確実に売り切って、市場の反応を見てからですね。」
👿30,000って、10K ℓ以上でっせ💦それ、足りないか?
「そうだな。」青山も頷いた。「まずは無理せず、確実に売れる分だけを出す。 それが長く続けるための第一歩だ。」
そして、出荷の日
缶詰めされた「ちきゅう」は、ジオフィジクスの倉庫から全国へと発送されていった。
東京、大阪、名古屋、福岡、仙台。全国のビアバーや酒販店が、ジオフィジクスの初めての缶ビールを待っていた。
「さあ、どんな反応が来るか。」
青山は、ラベルが貼られた缶を手に取りながら呟いた。
フレッドは隣で腕を組み、「最高のものを造った。あとは市場が答えを出すだけだな。」と静かに言った。
そして蓮見は、「売れないわけがない!」と自信満々に拳を握った。
こうして、ジオフィジクス・ブルーイングの新たな挑戦が始まった。
【登場人物】
青山・・・IPA本舗店主/ジオフィジクスブルーイング社長
フレッド・ジョンソン・・・ブルワー/ジオフィジクス醸造長
蓮見一郎・・・ジオフィジクス営業部員
続きはまた今度