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AI小説「IPA本舗」第17話

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第17話「一番町ブルワリー視察」

青山、フレッド、佐川の3人は週末に一番町ブルワリーを訪れた。場所は仙台の中心地に近く、表通りに面した建物は一見立派だが、どこか古びた雰囲気が漂っている。中に入ると、使用感のある設備が所狭しと並んでいた。

佐川が施設内を案内しながら語り始める。「ここが発酵タンクです。キャパシティは十分ですが、ちょっとメンテナンスが必要ですね。このボイラーも、少し古いですが使えないことはありません。」

青山はタンクの表面を手でなぞりながら、フレッドに目配せをする。「フレッド、どう思う?」

フレッドはじっくりとタンクや配管を見渡しながら答える。「うん、機材自体は古いけど、まだ全然使えるね。ただ、温度管理のシステムが時代遅れだね。これをアップグレードしないと、ビールのクオリティに影響が出るよ。」

青山は真剣な表情で頷く。「そうだな。ここで良いビールを作るには、まず設備のリノベーションが必要だ。それに、施設のレイアウトもちょっと改善したいな。効率が悪そうだ。」

佐川が少し不安そうに口を挟む。「設備の更新にはそれなりのコストがかかると思いますが、僕たちのファンドがそこはバックアップします。青山さんたちが納得する環境を作るための投資は惜しみません。」

青山は佐川を一瞥し、「コストだけじゃなく、ここで働く環境や、仙台の人たちがどう思うかも考えたいですね。」と慎重に答える。

次に3人は併設された飲食スペースに移動する。そこはカジュアルな内装で、テーブルや椅子が配置されていたが、どこか活気が感じられない。

青山は周囲を見渡しながら呟いた。「雰囲気がちょっと味気ないな。クラフトビールの魅力を伝える場としては弱い。もっと温かみのあるデザインにするべきだし、何よりビールを楽しむ場としての一体感が足りない。」

フレッドが笑いながら提案する。「壁に地元アーティストの絵を飾るとか、仙台の歴史や文化を感じられるインテリアにしたらどうかな?それか、タップルームの一角を地元の食材を使ったペアリングスペースにしてみるとか。」

👿それ、ダメ!地元意識し過ぎだって!どこぞの震災復興ブルワリーみたいじゃん

佐川もそのアイデアに乗る。「確かに、地元をアピールする演出は必要ですね。ここを単なる飲食店ではなく、仙台の人たちが誇れる『文化の発信拠点』にできたら素晴らしい。」

青山は少し微笑み、「俺たちが本気でやれば、ここを仙台の名所にすることも不可能じゃないかもしれないな。」と返す。

視察を終えた後、3人はブルワリーの入口近くで話し合っていた。その時、佐川がふと真剣な表情で口を開いた。

「実は、このブルワリーの前オーナーから少し気になる話を聞きました。どうやら、この場所を経営する中で、地元の商業組合と意見の食い違いがあったそうです。だから売却を決めたとか。」

👿今どき、商業組合とか付き合わんでも良くない?

青山が眉をひそめる。「商業組合?どういう意見の食い違いですか?」

佐川は言葉を選びながら答える。「詳細は分かりませんが、地元の飲食店との競合関係が原因だったみたいです。要するに、地元に根付かせるには、近隣の店ともどう協力していくかが重要になりそうです。」

青山はため息をつき、「簡単な話じゃないな。でも、そこを乗り越えないと長続きしないってことか。」

フレッドも真剣な表情で「俺たちの目指すビール文化を伝えるには、ただビールを作るだけじゃダメってことだね。」と続けた。

その日の視察を終え、IPA本舗に戻った青山とフレッド。二人は閉店後の店内で、佐川との話を振り返っていた。

フレッドがビールを一口飲みながら言う。「正直、あの設備や場所にはポテンシャルを感じるよ。でも、乗り越えるべきハードルも多いね。」

青山も自分のグラスを見つめながら答える。「そうだな。俺一人じゃ無理かもしれない。でも、お前や佐川みたいに、信頼できる人がいるなら挑戦してみる価値はあるかもしれない。」

フレッドは笑みを浮かべ、「じゃあ、やるのか?一番町ブルワリーを新しいスタートにするって。」

青山は少し間を置いてから、「まだ答えは出てない。でも、可能性を潰すのは嫌だな。少なくとももう少し突っ込んで考えてみる。」と静かに答えた。

挑戦への第一歩を踏み出そうとしている青山。その背中を見つめるフレッドの目にも、決意の色が宿っていた。

⭐️

翌日、青山はIPA本舗のカウンターでノートパソコンを開き、事業計画を練っていた。これまでの経験と視察の感触をもとに、具体的なビジョンを描こうとしていた。

「一番町ブルワリー」をただの地元密着型のブルワリーにするだけではなく、海外のクラフトビール文化を色濃く取り入れた「仙台リトルアメリカ」というコンセプトを掲げることを考えた。計画書の出だしには、

「仙台にいながら、アメリカのクラフトビール文化を体感できる場所」「地元の食材を使ったメニューや、仙台の文化を取り入れるが、それに固執せず、アメリカ西海岸風の雰囲気やスタイルを融合させる」と書かれていた。

ビールについては、「提供するビールはIPAを中心に幅広いスタイルを2週間以内に売り切る量を造る」「タップは全部で最大20タップ。15タップは自社醸造、5タップはゲストビアにする」。他に主なターゲット層や店舗運営・人員計画、収支見込など、びっしりと書かれた計画書を1日で書き上げた。

青山は完成した計画書を佐川に送信し、意見を求めた。そして翌日、IPA本舗で2人が向き合って話し合う。

佐川:「この『仙台リトルアメリカ』、すごく面白いコンセプトですね。ただ、地元の食材を使った限定ビールはもっと前面に出した方がいいかもしれません。地元とのつながりが強調できると、地域メディアや行政も味方につけやすいです。」

👿地元の食材??ビールに????バカじゃねぇの💢

青山:「確かに。ただ、地元色に偏りすぎると、他と差別化できない気がするんですよね。だから『地元』と『アメリカ文化』のバランスをどう取るかが課題かなと思ってます。」

👿地元のバランスなんて取らんで良いって!

佐川:「それなら、地元の名産をアメリカンスタイルでアレンジするってのはどうでしょう?たとえば、仙台牛や笹かまを使ったペアリングメニューとか。」

青山:「面白いですね。それなら、ビールの名前も地元っぽさを混ぜるのもありかもしれない。『Date IPA』とか、『牛たんポーター』みたいな。」

👿絶対にこいつ舐めてるわぁ💢

佐川が笑いながら頷く。「いいですね。それと、ターゲット層を少し広げてみてもいいかも。たとえば、地元で働く20代前半の人たちにもクラフトビールの楽しさを伝えるような仕掛けとか。」

青山は話し合いを終え、改めて計画書を見直しながらつぶやく。「仙台で本当にやれるのか、不安はあるけど…やるなら本気でやらないとダメだな。」

フレッドも合流し、青山の考えを聞いて一言。「これが実現すれば、俺たちのクラフトビールの夢が一気に広がるね。やるなら全力でサポートするよ。」

佐川は満足そうに2人を見ながら、「ファンドとしてもしっかりバックアップするので、具体的な収支計画も詰めていきましょう。」と語り、次のステップへの話し合いを進めた。

青山の胸には、成功への期待と不安が入り混じっていたが、目の前には「挑戦する価値のある夢」が広がっていた。

【登場人物】

青山・・・IPA本舗店主

佐川隆一・・・投資家

フレッド・ジョンソン・・・ブルワー/Yamagata Brew Pubのオーナー

続きはまた今度